itoh-imaginary0205のブログ

ゆかしい雑記物。はたまた備忘録。

各党の動向(1)自民党

(1)の続き。教育の無償化や社会保障についての要旨をピックアップしました。

以前の2014年の自民党公約では、どのように書かれているでしょうか。

各分野のスローガンは「○○を取り戻す」でした。初めは誰から取り戻す?と思ってました。何時の主体が明白ではないですからね。まぁ民主党政権の失敗を意識した結果でしょう。

当初、右派的(ナショナリズム)な教育の制度化が物議を醸しました。つまりナショナリズム的なイデオロギーを前面に主張してメディア批判を浴びたようです。具体的な公約によれば、日本文化に対する道徳教育や高校での新しい「公共」科目の設置などが掲げられました。合わせて二項目あります。

なお、メディア批判を単に鵜呑みしてはいません。しかし、いじめに関する政策課題と併記しているのが気になります。二項目に続けて、後ろに五項目を追加しています。「いじめ」の政策課題と「イデオロギー」を連動させている意図は何だったのでしょうか。社会問題になったからといって、「道徳教育の欠如≒いじめの問題」となる確固たる理由(根拠)は見つからないと思いますが。また、間接的に当てはまるかどうかについても、議論の余地があるのではないかと感じました。

 

《公約ピックアップ》

生活保護の見直し(国費8000億円ベース)

・公務員の総人件費の削減少なくとも2.8兆円を超える大胆な財政削減

社会保障における公費負担は消費税収を中心に、保険料負担を極力抑えて国民のニーズに対応

 ・消費増税は来年の秋をめどに実施

 ・官民格差を是正する被用者の年金一元化、受給資格条件の緩和、受給時期選択の弾力化

・「若者支援」「結婚」「出産」など家族を幅広くした「家族支援政策」の実施

 ・待機児童の解消のため、処遇改善による保育士の確保など即効性のある政策を実施する

 ・年少扶養控除の復活

・幼児教育の無償化、高校、大学の給付型奨学金制度の創設

・高校の無償化は、所得制限を設け「公助」の対象になる人にのみ支援

 参照2014年自民党政策BANKより

保育士、幼児教育の無償化や待機児童問題は公約2014にも書いてありました。したがって具体的な数字は、公約2017で出てきたようです。公約2014は税収と社会保障をセットに、国民のニーズ対応としておおまかに提示していました。公約2017では、「子育て」を軸に投資すると主張した点に差があります。しかし、包括的になる反面、社会保障内部の強調点を移しただけで説得力に欠けているのではないでしょうか。内訳が変わったなら注視すべきことでしょう。

蛇足ですが、意外に削除や追加された公約に注意が向かないこともあります。公約2014に「天下り根絶」があったのに2017には削除されています。他方で、参議院改革(都府県1人の地域代表制を実施)が新たに加えられました。このへんはいかにも曖昧ですね。

以上の政策に対する業績の判断は専門家でない限り、総合的にも難しいと思います。有権者がふつうに、私たちの身の回りの変化で良かったかどうかで判断するのが良いと思います。

(関連)

2017年 衆院選特設サイト|「この国を、守り抜く。」自由民主党

 

二つの政権交代: 政策は変わったのか

二つの政権交代: 政策は変わったのか

 

 

ちなみに「憲法改正」の話は、善悪の二元論ではないと私は思います。自民党は結党時からの党是ですから、悪と言えば済む話ではないです。改正する、しないの説得的理由をあげて欲しいです。現状否認型だと単にリベラル(自由)ではない気もします。

たとえそうならなくても、予備的な国民投票が最も期待されていくかもしれません。

 

(ちょっと疲れたので、また次回にしたいと思います。)